たとえ話。
私が感じたことをフィルターに通して、なおかつよくある話に例えてみる。
私の友人A子ちゃん。
十数年来傍にいる仲良しで、なんでもかんでも話してきた。
お互いのことは何でも知ってる。
A子ちゃんは社内恋愛の彼氏B男くんと同棲1年と2ヶ月。
それはかいがいしく彼氏を助けている。
自分の時間よりもB男くんの喜ぶ顔が見たいからと、一緒に居られる時間が嬉しいからと。
もちろんB男くんもA子ちゃんのことを愛していて、誰にもA子ちゃんの変わりは居ないとノロケるほど。
B男くんはA子ちゃんと暮らし始めて、もともと素敵なB男くんは前より素敵になった。
A子ちゃんが整えた部屋で、美味しいご飯をたべ、
A子ちゃんと選んだ服を素敵に着こなして会社では女性社員にも一目置かれるようになった。
B男くんもオフィスの誰よりも努力して実績を積んで行った。
直属の上司やその上の上司にも高い評価を得るほどになった。
すごいねー、アゲマン!とからかう私にA子ちゃんはB男くんのもともとの魅力だと笑っていた。
先日、A子ちゃんから話を聞いて私は怒った。
話はこうだ。
実力を認められたB男くん、隣の課のC部長から見合い話を持ちかけられたのだという。
C部長、東京本社の実力者・専務との繋がりがあるという。
その専務のお嬢さんD美ちゃんは大学生。この街に住んでいる。
D美ちゃん、B男くんをレストランで見かけて一目惚れ。パパである専務に「結婚したい」と申し出る。
専務も社内の評判を聞きつけて、まんざらでもない様子。
将来的にはB男くんを東京本社に呼んでB男くんの夢である部署を任せることも考えているという。
そんな話をA子ちゃんはB男くんではなく、C部長から聞いたのだという。
実はB男くんをA子ちゃんに紹介したのは、他でもないC部長。
D美ちゃんとB男くんの見合いを成功させればC部長にとっても大きな手柄、自分の出世の大きなメリットになる。東京本社との太いパイプも確保できる。
そんな思惑もあり、B男くんから話を聞く前のA子ちゃんに先手を打ってコンタクトを取って来た。
その見合いから結婚がどれだけB男くんのメリットになるか、彼の夢を叶えてあげられるか。
後は任せてB男から手を引けと。
A子ちゃんはびっくりしてB男くんに聞いてみた。
B男くんは「見合いするだけだよ」と笑って話した。
しかし、B男くんは彼に有利な部分的なことしか聞かされていない。
C部長からは自分の顔を立てて見合いをしてくれと言われているだけだの一点張り。
C部長からはその後も直接A子ちゃんに連絡をしてくる。
もう、自分に任せておけばB男くんの人生は決まったようなものだと。
A子ちゃんはB男くんに懸命に伝えた。何が行われようとしているのか。
でも、B男くんには伝わらなかった。
そして、見合いは行われた。
それから、B男くんの言動もちょっとづつ変わってきた。
A子ちゃんへの接し方は以前と全く変わらない。
しかし、とりあえずD美ちゃんと試しに付き合ってみるという。
でも、A子ちゃんのことは大好きだし傍に居て欲しいと。
どれだけ僕を支えてきてくれたか分かっているからと。
だから、D美ちゃんとうまくいかなかったらいつでも元に戻れるからと。
一緒に住むのは一時止めるけど、これまでどおり家事などを通って世話して欲しいと。
A子ちゃんは、B男くんにそれはどれだけ酷い事か一生懸命伝えたが、伝わった手ごたえが無いという。
B男くんの将来を考えると強く嫌だと主張できないと。
そこまで話してA子ちゃんは一息ついた。
私は、びっくりするのと怒りで天井がぐらりと揺れた。
私は思う。
これまで、A子ちゃんがB男くんの家政婦で、ただお給料で結ばれた契約なら、
仕事として身の回りの世話をしていたのなら、それは可能だ。
でも、そうじゃない。
同じ街で、愛するB男くんとD美ちゃんのラブラブな姿を見かけながら?
B男くんが住む家を整えて?
D美ちゃんが泊まった後のお部屋の掃除をして?
B男くんのことを本当に愛していたら、彼の幸せのためにできるはず?
数日後に会ったA子ちゃんは、B男くんとの別れを覚悟したと話してくれた。
来るべき日まで彼を支えて、送り出す決意をしたという。
A子ちゃんは彼の夢を知っていた。
この土地で生きていきたいA子ちゃんは、いつか来る別れを遠くに見ていた。
A子ちゃんは数年前にも似たような別れで前彼を送り出した。
海外支社でバリバリ働く前彼とは今ではいい友達。
肩を落とすA子ちゃんに私は何ができるだろう。
私はA子ちゃんの味方だし、A子ちゃんが決めたのなら何があっても支える。
でも、友達として思う。
私はC部長の髪の毛を無くなるまでむしってやりたいくらいには怒っているし、
のほほんとしているB男くんには、彼がA子ちゃんに対して女性としてどんなに屈辱的なことを求めているのか気づいて欲しい。
待て、前彼もC部長の紹介って言ってなかったか?私の勘違い?
まぁ、A子ちゃん側視点のお話。
C課長&専務視点、B男くん視点では、また違った見方と考えがあるのだろう。
人は、それぞれに懸命に生きている。
何を見てどう判断し、何を大事にしていくかは人それぞれ。
とにかく私はA子ちゃんを見守ることにする。
ぼんやりするA子ちゃんの背中をさすって。
頑張れ、A子ちゃん。